再婚と連れ子の相続権

再婚と相続に関する良くあるご質問をご紹介します。

Q.私は10年前に再婚しました。連れ子が一人いますが、再婚相手とは養子縁組をしていません。もし再婚相手が亡くなった場合、連れ子にも相続権はあるのでしょうか?ちなみに連れ子は現在中学3年生です。

A.再婚相手と連れ子が養子縁組をしなければ相続権は発生しません。

再婚のとき、または再婚後に未成年の連れ子と再婚相手の間に相続権を発生させるためには、養子縁組をしなければなりません。この場合、連れ子が未成年であれば、あなたが親権者としてお子さんの代わりに市区町村の役所の戸籍係に養子縁組の届出を行えば手続きできます。

通常、未成年者と養子縁組をする場合は家庭裁判所の許可を得なければなりませんが、再婚相手が連れ子さんと養子縁組をする場合には、たとえ連れ子が未成年であっても、家庭裁判所の許可は不要となります。

この場合、養子縁組をする際に連れ子が15歳以上か、15歳未満かで対応が分かれます。

連れ子が15歳以上の場合

連れ子が15歳以上であれば、親の再婚相手と養子縁組をするかどうかを、自分自身で決めることになります。これは、意思能力がある年齢に達しているとみなされるためです。もしお子さんが中学生3年生で15歳になっていれば対象になります。15歳以上の連れ子と養子縁組をする場合には、子どもにわかりやすくメリットとデメリットを説明して、理解してもらうことが大切です、

連れ子が15歳未満の場合

連れ子が15歳未満の場合は、養子に代わって、法定代理人である親権者が養子に代わって代諾(だいだく)することになります。この場合代諾するためには、親権を持っていることが必要になります。

養子縁組の届出手続きについて

養親になりたい人(再婚相手)と養子になりたい人(連れ子)が養子縁組をする意思をもって、役所の戸籍係に養子縁組の届出を行います。この場合養子が15歳未満の場合は養子の法定代理人が届出人となります。

養子縁組の届出は、養親または養子の本籍地または所在地の市区町村役場どちらでも提出できます。
届出の際には成人の証人2名以上の署名が必要になりますのでご留意ください。

また、養子縁組をすれば養子(連れ子)は養親(再婚相手)の戸籍に入り、再婚相手の姓を名乗ることになりますので、この点についてもお子さんの姓がかわることで学校でいじめられたりすることが無いよう、生活環境なども十分に考えてあげる必要があります。

前婚の離婚の際に親権者と監護権者を分けた場合の養子縁組

前婚の離婚の際に、親権者と監護権者を分ける場合がありますが、この場合に未成年者(15歳未満)と養子縁組はどうなるのでしょうか?
この場合は、親権者が代諾することになりますが、監護権者の同意も必要になります。したがって、親権者の同意があっても、監護権者の同意が得られなければ、養子縁組が成立しないことになってしまいます。
離婚する際に、親権者と監護権者を分ける場合には、お子さんの養子縁組をする際のリスクも考えておく必要がありますので、慎重に対応しましょう。

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