遺言書の保管場所

遺言書はどこに保管しておけばよいのですか?

公正証書遺言なら紛失・破棄されても安心です

公正証書遺言は、公証役場で遺言者や証人が署名捺印した「原本」を保管し、遺言者や遺言執行者には「正本」と「謄本」を1通ずつ交付してくれます。「原本」は公証役場で保管してくれますので、万一「正本」や「謄本」を紛失した場合でも、作成した公証役場で再交付してもらえます。

これに対して、自筆遺言証書などは「原本」が1通しかありませんので、紛失したり破棄される心配があります。また、相続開始後、遺産分割が完了して何年も経ってから見つかることも見受けられます。こうしたリスクを回避するためにも、安心、安全な公正証書遺言をお勧めしています。

公正証書遺言検索システムで遺言作成を照会することができます

公正証書遺言は、全国の公証役場でオンライン検索をすることが可能です。この照会申請ができるのは、相続人などの利害関係人に限られてますが、申請者からの委任があれば、行政書士が照会することも可能です。

手続きには次の書類が必要です
①「正・謄本原本閲覧申請書」(公証役場所定の様式)
・委任する場合には、この様式の委任状の欄に申請人の署名と実印の押印します。
②遺言者の死亡を証明する戸籍謄本
③遺言者の相続人など利害関係人であることを証明する戸籍謄本
④身分証明書等の提示
・委任する場合は委任状欄に実印を押印し、印鑑登録証明書(発行後3ヶ月以内)を添付します。

公正証書遺言の存在がわかるようにしておく必要があります

せっかく作成した遺言書も見つからなければ役に立ちません。そのため、相続人や信頼のできる知人などに遺言書の存在を知らせておく方がよいでしょう。また、遺言書の存在そのものを知られたくない場合は、相続開始後、相続人が見つけやすい場所に保管しておくと良いでしょう。ただし、できれば保管場所としてふさわしくない場所が一箇所あります。それは銀行の貸金庫です。銀行の貸金庫は相続が開始すると、原則相続人全員の署名捺印が必要なります。相続人の中で一人でも署名捺印がもらえないと開閉を断られますので、相続でもめそうな場合は後々厄介なことにもなりかねませんので、くれぐれもご注意ください。

法定相続人以外の第三者に預ける場合も、相続の開始を知らなければ遺言書も役に立たないことになりますので、できれば相続の開始を知ることができる立場の人に依頼することをお勧めいたします。遺言で遺言執行者を指定できますが、その方に「謄本」を預けておけば、そのリスクを小さくすることもできます。行政書士等の法律の専門家にご依頼をいただくことも可能ですので、ぜひご相談ください。

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